2020.01.22 - NewsColumn

【SUSTAINABILITY TRENDS】
なぜトレーサビリティは重要なのか?



【SUSTAINABILITY TRENDS】
なぜ、トレーサビリティは重要なのか?


ラグジュアリー業界のリーダーであり、サステナビリティの先駆者であるケリンググループは、
2025年までにサプライチェーン全体で100%追跡可能になると発表しています。
しかし、なぜ持続可能なサプライチェーンを開発するためにトレーサビリティが重要なのでしょうか?
トレーサビリティを確保するには、調達、生産、流通のすべてのステップを追跡する必要があります。
グローバルサプライチェーンは複雑であり、複数層のサプライヤで構成されているため、
サプライチェーン全体を把握することは困難なことですが、
環境および社会への影響を正確に評価するために、
ブランドとサプライヤが追跡可能なシステムと構造を構築することは、
ファッション業界の重要な課題となっています。

THE IMPACT OF RAW MATERIALS
原材料の影響


ケリングは、グループやパートナーを含むサプライチェーン全体の営業活動全域において発生する環境負荷
(温室効果ガス排出、水利用、水と空気の汚染、廃棄物、土地利用など)を
貨幣価値で換算する「環境損益計算書(EP&L)」を2011年より開発しています。

この環境損益計算書(EP&L)の最初のレポートによって、
ケリングが環境に与える負荷のうち93%がサプライチェーンの活動から生じていること、
そして、環境フットプリントの50%が、原材料(革、織物繊維、貴金属)の生産、あるいは抽出という、
ごく初期の段階で発生していることが明らかになりました。
だからこそ、原材料のトレーサビリティに集中的に取り組む必要があるとケリングは分析しています。

ケリングのチーフ・サステナビリティ・オフィサー兼国際機関渉外担当責任者であるマリー=クレール・ダヴーは、
サステナビリティに関するインタビューにおいて、次のように答えています。

「私たちにとっての最優先事項は原材料のトレーサビリティです。
トレーサビリティなくして本当の意味で環境に配慮した方針を打ち出すことは不可能です」



TRACEABLE YAK DOWN BY SHOKAY
トレース可能なSHOKAYのヤクダウン


14年前、中国西部の遊牧民たちからヤク素材の直接調達をスタートして以来、
トレーサビリティは、SHOKAYのブランドDNAとなりました。

以下はSHOKAYのトレーサビリティに関する主な取り組みです。

①最初のヤクのグレーディングシステム

SHOKAYは、青海省、チベット自治区、四川省の遊牧民コミュニティにおいて、
彼らが伝統的なライフスタイルを維持しながら持続可能な生活ができるように、
ヤクの原毛を直接取引によって調達しています。
私たちは最初のヤク繊維の等級(グレード)システムを開発し、
それぞれの地域コミュニティと密接に連携しながら、
品質ごとにセグメントするためのトレーニングを行うことで、
高品質のヤク繊維を提供しています。

②原毛の収集と精選

ヤクダウンの収集プロセスは、5月から8月の間に、1年に1回のみ行われ、
ヤクの毛が自然に抜ける時期に、櫛を使って手作業で行われます。
ヤクの首のあたりに「ヤクダウン」と呼ばれる柔らかい産毛があり、
これはわずか1頭からわずか100gしか収集できません。

③紫外線検査とカーディング

SHOKAYでは、カーディングプロセスの高い基準を開発しました。
すべてのヤクダウンは、不純物を除去するために複数回のUV光検査を通過します。
SHOKAYのカーディング施設は河北省にあり、
施設は9ラウンドの繊維をカードし、ミクロンと長さで慎重にセグメント化します。

④認定された工場

SHOKAYのパートナー工場は、
STWI水ろ過基準、ISO 14001環境管理基準を満たしており、
REACH、INTERTEK、およびOEKO TEX 100によって承認されています。